【モデルケース】資格なし実務経験だけで、最短で建設業許可を取りたい

専門行政書士が解説

【モデルケース】資格なし、実務経験だけで最短で建設業許可を取りたい

いずれは独立して、建設業許可を取得し、事業を拡大していきたい。

という目標を立てて日々汗を流し、技術を磨いている方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、

  • 建設業許可を取得したい
  • 早期に独立したいが、資格は持っていない、もしくは取得しない

という方向けに、最短で建設業許可を取得するためのモデルケースを解説していきます。

資格を取得されていない場合には、独立して建設業許可を取得するためには最短でも10年必要となります。

1.クリアしなければならない許可要件

ポイント:人的要件のクリアが重要

建設業許可を取得するためには、以下の許可要件をクリアすることが必要です。

  1. 欠格要件に該当しない・誠実性があること
  2. 営業所に独立性があること
  3. 財産的基礎を有していること
  4. 社会保険に加入していること
  5. 専任技術者が在籍していること
  6. 常勤役員等が在籍していること(経営業務の管理責任者)

その中でも人的要件といわれる「専任技術者」「常勤役員等」が非常に重要となります。

今回のモデルケースの場合、自分自身で「専任技術者」と「常勤役員」の要件をクリアする必要があります。

この要件をクリアするには時間がかかります。もう少し、この2点について詳しく見ていきましょう。

①専任技術者が在籍していること

専任技術者の要件は、許可基準における技術面を担保するために必要です。

この要件は、

  • 資格
  • 学歴と3〜5年の実務経験
  • 10年の実務経験

のいずれかで満たすことができます。

今回のモデルケースでは、資格を取得せずに許可を取得したいということになるため、「10年の実務経験」を選択することになります。

もちろん、実務経験を積む中で資格を取得すれば、許可取得までの道のりが大幅に短縮されます。

詳しく専任技術者のことについて知りたい方は過去の記事で解説していますので、下記からご覧ください

詳細はこちらをクリック
②常勤役員が在籍していること(経営業務の管理責任者)

常勤の役員等の要件をクリアするには様々な方法がありますが、一番わかりやすい「建設業で5年間の経営経験」ということで考えます。

この要件を一人で満たすためには、少なくとも5年間は経営者として活動する必要があります。

具体的には、「個人事業主」または「会社の取締役」としての経験が適しています。

詳しく経営管理責任者のことについて知りたい方は過去の記事で解説していますので、下記からご覧ください

詳細はこちらをクリック

2.資格なしで建設業許可取得までのモデルケース

①前半5年間は実務経験を学ぶ

最初の5年間は、実務経験を積むことが不可欠なので、条件に合った建設会社に就職することが基本となります。

もちろん、最初から独立して建設業を営む選択も可能ですが、技術習得の期間としては、適切な建設会社に勤める方が効率的です。

尚且つ、建設業許可の取得を視野に入れるなら、この5年間の実務経験が証明可能であることが重要です。

つまり、後に実務経験として認定されやすい働き方を意識する必要があります。

ポイント:建設業許可を持っている会社を選ぶ

建設業許可を持つ会社に勤めると、許可申請時に実務経験の裏付け資料が省略できる自治体がほとんどです。

逆に、許可のない会社では、在籍期間中の建設業の裏付け資料が必要となり、実際に申請時に資料を集めるのは困難です。そのため、建設業許可を持つ会社に勤めることが重要です。

また、建設業許可を取得している会社の場合、後述の社会保険に加入していることも大きな要因と言えるでしょう。

ポイント:社会保険(厚生年金)を適用している会社を選ぶ

適法に社会保険が適用されている会社に就職することも大切です。

建設業許可申請において、実務に従事していた期間を証明するための最も確実な方法が「厚生年金記録」です。

この記録があれば、在籍期間の証明が容易になります。会社(法人)の従業員は法的に社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する義務がありますが、一部の会社では違法に適用を避けているケースもあります。そのような会社は避け、適切に社会保険が適用されている会社を選びましょう。

従業員が4名以内の個人事業主に勤める場合も、社会保険の加入義務がないため、避けることも一つの案です。

②後半5年間は経営経験と実務経験を学ぶ

後半の5年間は、独立して自分で経営を行う期間となります。

独立して経営経験を積む際には、建設業許可申請における経営経験の証明が重要となります。

この証明には、以下のような裏付け資料の提出が求められます。ポイントを押さえて、資料を継続的に収集・保管しておきましょう。

ポイント:確定申告書が必要

個人事業主として独立する場合、毎年必ず所得税(事業所得)の確定申告が必要です。

確定申告を行う際には、税務署の収受印がある控えを必ず保管してください。電子申告を行う場合は、「メール詳細」の画面を印刷して保管することも忘れずに行いましょう。

ポイント:工事実績の資料を保存する

事業を進めるうえで、工事実績の資料を保管しておくことは非常に重要です。

「経営経験」および「実務経験」を証明するために、

  • 契約書
  • 注文書
  • 請求書(控)+入金記録

などの資料を提示する必要があります。

これらの資料から、施工した工事の内容が具体的に読み取れるよう、件名や内訳などを明確に記載することを心がけましょう。

③貯金を500万円用意する

建設業許可を取得するためには、「財産的基礎」要件も重要なポイントです。

この要件は、

  • 自己資本が500万円以上
  • 預金残高500万円以上

のいずれかを満たすことで達成できます。これは、資金調達能力の証明にあたり、一時的な預金残高であっても要件をクリアすることが可能です。

個人事業主として活動する場合でも、会社を設立する場合でも、500万円の預金があれば条件を満たせます。

したがって、10年で建設業許可を取得することを目指すなら、500万円を貯金しておくことを推奨します。

3.まとめ

以上、資格なしで実務経験のみで建設業許可市を取得するためのモデルケースについて解説してみました。

当事務所は建設業許可を専門に申請代行を行なっております。ぜひお気軽にお申し付けください。

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