営業所から遠距離に住んでいても常勤性が認められる場合がある?

専門行政書士が解説

営業所から遠距離に住んでいても常勤性が認められる場合がある?

1.専任技術者・経営業務管理責任者に必要な常勤性とは?

①そもそも常勤性とは?
ポイント:専属かつ常勤での勤務

常勤とは、一般的に休日を除き、毎日決められた勤務時間に継続して働いている状態を指します。いわゆる正社員として雇用されている人がこれに該当します。

これに対して、パートタイム勤務や短時間勤務のアルバイト、派遣労働者、日雇い労働者などは、原則として「常勤」とはみなされません。

専属かつ常勤で働いていることが必要です。
そのため、他の会社に社員として所属している場合などは認められません

②建設業許可で必要になる常勤性

建設業許可申請では、法令により「常勤性」の証明が求められます。具体的には、次の2つの立場にある人が「常勤」であることが求められます。

建設業許可で常勤性が必要になる内容
  • 常勤役員等(経営業務の管理責任者など)
    • 主たる営業所において常勤である必要があります。
  • 営業所技術者(専任技術者)
    • 建設業を行う営業所ごとに、専任かつ常勤で配置する必要があります。

つまり、これらの人が「正社員として、営業所で日常的に業務に従事していること」が、常勤性を満たす前提となります。

2.【本題】自宅と営業所が遠距離でも常勤性は認められる?

ポイント:追加書類を提出すれば認められる場合も

先述の通り、建設業許可における「常勤」とは、原則として本社や本店などの営業所において、休日など勤務を要しない日を除き、あらかじめ定められた勤務計画のもと、毎日一定の時間その職務に従事している状態をいいます。

したがって、居住地が会社(営業所)からあまりにも離れている場合、日常的な通勤が現実的に難しいと判断され、常勤とは認められないことがあります。

ただし、追加書類を提出すれば、常勤性が認められる場合があります、

①追加書類を提出すれば常勤性が認められる場合(通勤編)
ポイント:遠距離だけど毎日通勤している場合だってある!

一般的には、電車等の公共交通機関を使用し、片道おおよそ2時間を超えると、その常勤性や専任性に疑いをもたれるようです。

とはいえ、事実として自宅から時間をかけて通勤している方がいらっしゃるのも事実です。
その場合にはその実態を証明するための追加資料の提出をすれば常勤性を認められる場合もあります。

そのような例が下記のとおりです。

追加書類を提出すれば常勤性が認められる例(通勤編)

・会社(営業所)と自宅との通勤時間が2時間を超える
・自宅と会社の距離が離れているが、新幹線を利用して通勤している
・自宅が圏外のため、車で高速道路を利用して、毎日2時間以上かけて通勤している

ポイント:通勤確認の証明ができるならOK

たとえ居住地が遠方であっても、実際に毎日会社や営業所へ出勤し、勤務している実態が確認できる場合には、常勤性を証明することが可能です。

重要なのは、「通勤距離」ではなく「勤務の実態」が伴っているかどうかです。

通勤確認の証明書類の例は下記のとおりです。

通勤確認の証明書類の例

  • 通勤区間の公共交通機関の定期券(新幹線・電車・バスなど)
  • 通勤区間の高速道路の領収書やETCの記録
  • 出勤記録
  • 業務報告書

など

これらは都道府県によって、求められる書類が変わる場合がありますので、注意するようにしましょう。

ポイント:現実的に毎日の通勤が不可能な場合はNG

ただし、申請会社の主たる営業所の住所が福岡で、住所が東京の場合など、現実的に毎日の通勤が不可能である場合には、常勤性は認められません。

②追加書類を提出すれば常勤性が認められる場合(単身赴任編)
追加書類を提出すれば常勤性が認められる例(住居編)

・住民票を自宅に残したまま単身赴任している

ポイント:建設業許可申請に住民票の提出は不要ですが、注意が必要

上記の例のように単身赴任を理由に住民票を移しておらず、遠方に住所があるパターンもあるでしょう。
とはいえ、建設業許可申請においては、現在、原則として住民票の提出は不要となっているため、「実際に居住している住所(居所)を申請書に記載しておけば問題ないのではないか」という考えを持つ方もいるでしょう。

しかし、常勤役員等(経営業務の管理責任者など)の証明に必要な添付書類である「登記されていないことの証明書」には、住民票上の住所を記載する必要があります。

そのため、この証明書に記載された住所と、申請書その他の書類に記載された住所が一致していない場合、行政庁から事情の確認を求められることになります。

ただし、その場合には、下記のような追加資料を提出をすれば、常勤性を認められるケースもあります。

住民票とは違う場所に住んでいることをの証明する書類の例

  • 公共料金(電気代・水道代・ガス代)などの領収書

など

要するに、住民票と違う住所に住んでいる実態がわかる書類を提出すれば問題ありません。

ポイント:賃貸借契約書では住居の実態は証明できない

賃貸借契約書は認められない場合が多いです。
賃貸借契約書は貸主と借主の契約書であって、そこに住んでいるかの実態があるかは証明できないからです。

3.まとめ

以上、営業所から遠距離に住んでいても常勤性が認められる場合がある?について解説いたしました。

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