営業所とは

専門行政書士が解説

営業所とは

建設業許可許可要件③

1.建設業許可における営業所とは

建設業許可における営業所は、「主たる営業所」と「従たる営業所」の2種類に分かれます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

①主たる営業所とは
ポイント:営業所は必ず必要

主たる営業所とは、建設業を営む営業所を総括し、指揮監督する営業所のことを指します。

建設業許可を取得するためには、必ず主たる営業所を設置しなければなりません。
多くの場合、本店や本社が主たる営業所となりますが、登記上の本店でなくても問題ありません。

ただし、実際の業務が行われていない場合は主たる営業所とは認められませんので、注意が必要です。

②従たる営業所とは

従たる営業所とは、主たる営業所以外のすべての営業所を指します。従たる営業所は、建設業許可を取得するために必ずしも必要ではありません。以下に示すような場所は、一般的に建設業許可の営業所としては認められません。

営業所として認められない場所

  • 資材置き場
  • 臨時的な作業所
  • 実際に工事の請負契約締結を行っていない単なる登記上の本店

一般的に「営業所」と呼ばれるものとは異なる点に注意が必要です。

これらの要件を満たすことが、建設業許可の申請において重要となります。

2.営業所の所在地による許可の種類の違い

営業所の所在地に応じて、知事許可または大臣許可のどちらかが必要となります。

  • 1つの都道府県内にのみ営業所がある場合
    • 知事許可
  • 2つ以上の都道府県にまたがって営業所がある場合
    • 大臣許可

知事許可か大臣許可によって、申請先や必要書類が異なりますので、申請前にどの種類の許可が必要か確認しておきましょう。

3.営業所の要件とは

営業所とは、本店、支店、または常時建設工事の請負契約を締結する事務所を指し、以下の要件を満たすものです。

営業所の要件
  1. 建設工事の請負契約締結等の業務を実際に行っていること。
  2. 電話、机、事務台帳等を備えていること。
  3. 来客用の応接スペースを有し、居住スペースや他の法人、個人事業主と明確に区分され、独立性があること。
  4. 営業用事務所として使用権限を有していること。
  5. 看板や標識等で建設業の営業所であることを明示していること。
建設工事の請負契約締結等の業務を実際に行っていること

実際の業務が行われていない場合は主たる営業所とは認められませんので、注意が必要です。

登記上の本店でなくても問題はありませんので、実際に契約などの業務を行っている営業所を登録するようにしましょう。

電話、机、事務台帳等を備えていること

実際の業務が行われていることが営業所の条件となりますが、業務に必要であろう固定電話や机、プリンターが営業所内にある必要があります。

来客用の応接スペースを有し、居住スペースや他の法人、個人事業主と明確に区分され、独立性があること

来客や取引先が来た際に応対するための応接セット(テーブルとソファ)が営業所にある必要があります。

営業所は独立していることが要件とされています。

  • 他法人、他の個人事業主や個人の生活部分からの独立性が保たれている必要があること。
  • 原則として他者の事務所部分や住居部分を通らずに自者の事務所に直接入れること
  • 一部屋を共同で使用している場合は、自者の様子が他者から見られることがないように、固定式の間仕切等により仕切ることが必要。

例えば、営業所が自宅などの場合には、玄関からリビングなどの生活空間を通って、事務所に入ることは認められていません。

営業用事務所として使用権限を有していること
ポイント:賃貸物件には注意

営業所が賃貸マンションやアパートの際には注意が必要です。
賃貸マンションやアパートは「居住用」であるケースが非常に多く、その場合に営業所として認められない可能性があります。

その場合には大家さんや管理組合などの使用承諾書を提出することを求められる可能性もありますので、注意しましょう。

営業看板や標識等で建設業の営業所であることを明示していること

営業所の玄関横に建設業の営業所であるための、看板や標識を設置する必要があります。

4.建設業許可の営業所に配置が必要な人員

建設業許可の営業所には、以下の人員を必ず配置しなければなりません。

営業所に配置しなければらならない人員
  • 経営業務の管理責任者が常勤していること。
  • 専任技術者が常勤していること。
①常勤役員等(経営業務の管理責任者)

常勤役員等(経営業務の管理責任者)は、主たる営業所に配置が必要です。

この役職は、建設業許可の要件である「経営業務の管理を適正に行う能力」を有していることを裏付けるために必要です。そのため、一定の経営経験が求められます。

②専任技術者

専任技術者は、主たる営業所および従たる営業所にそれぞれ配置が必要です。

建設業許可の要件に「専任の技術者を有していること」と規定されている通り、許可を受けるために欠かせない人員です。

例えば、主たる営業所と従たる営業所が3つある場合、各営業所に専任技術者が常勤していることが必要です。専任技術者は、工事の請負契約を技術的に支える役割を持ち、一定の資格や実務経験が求められます。

③令3条使用人

令3条使用人は、従たる営業所に必要な人員です。通常、支店長や営業所長がこの役職に該当します。契約締結などに関する権限があることが求められます。

上記の配置が必要な人員について詳しく知りたい方は下記からご確認ください

5.営業所であることを証明するための書類

営業所が建設業許可の要件を満たしていることを証明するために、以下のような書類を提出する必要があります。

  • 営業所の使用権原を確認する書類
    • 例:賃貸契約書・使用承諾書など
  • 営業所の写真
  • 営業所全体(外観)とビル内の場合はテナント表示も含む
  • 営業所の入口と会社名(従たる営業所なら事業所名)の掲示
  • 営業所内部(パソコンや机、電話等を撮影したもの)
  • 営業所内の接客スペース
  • 営業所平面図
ポイント:営業所の写真を提出する必要がある
ポイント:営業所の実地調査がある

都道府県によっては営業所が要件を満たしているか実地調査があります。

福岡県の場合には、営業所の実地調査はなく、上記の要件をクリアしているか証明するための写真を提出する必要があります。

営業所の写真提出について(福岡県)

以下の様式を用いて、営業所(本店及び支店等)の外観・内部等を確認できるように撮影してください。

 営業所として適切な状態であるかどうか確認できない場合は、写真や見取り図、使用権原が確認できる書類等の追加提出を求めることがあります。

福岡県HPより

これらの書類は、申請先の行政庁によって求められる内容が異なる場合があります。申請前に、各行政庁が公開している手引きやホームページを確認することをお勧めします。

6.まとめ

以上、建設業許可における営業所について解説いたしました。

建設業許可を新規で取得しようと考えている方
建設業許可は取得した後の
フォローが重要です
5年ごとの更新手続き・毎年の決算変更届の提出
必ず行わなければなりません
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