【専任技術者】実務経験を証明するには

専門行政書士が解説

【専任技術者】実務経験を証明するには

建設業許可を取得するために必要な要件が、専任技術者の存在。

場合によっては、実務経験を必要としますが、この実務経験を証明するにはどのような書類を必要とするのでしょうか?

今回は実務経験を証明するための実務経験証明書について解説いたします。

専任技術者について詳しく知りたい方は下記からご確認ください

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1.実務経験を証明するために

①実務経験書とは?

実務経験証明書は、建設業許可を取得するために必要な専任技術者の実務経験を証明するための書類です。専任技術者になるためには以下の要件のいずれかを満たす必要があります。

  1. 定められた国家資格を所有している
  2. 指定学科を卒業し、高卒・専門学校卒なら5年以上、大卒なら3年以上の実務経験を持つ
  3. 10年以上の実務経験を持つ
  4. 一級一次検定※合格後3年以上の実務経験を持つ
  5. 二級一次検定※合格後5年以上の実務経験を持つ

※土木施工管理、造園施工管理、建築施工管理、電気工事施工管理、管工事施工管理の一次検定に合格した場合

実務経験証明書は、このうち2〜5の要件を満たすために必要です。

②どんな時に必要か

新しい専任技術者が実務経験で証明する際に、この証明書が必要となります。

例えば、建設業許可を新規で取得する場合や、既に許可を持っていて専任技術者が変わる場合に必要です。

逆に、新しい専任技術者が対応する国家資格を持っていれば、証明書は不要です。

③証明しなければならない期間

原則として、10年間の実務経験を証明する必要があります。

ただし、指定学科の修了や資格を持っている場合、以下のように証明期間が短くなることもあります。

  1. 指定学科の卒業・国家資格なし
    • 10年以上
  2. 高等学校、中等教育学校、専門学校の卒業
    • 5年以上
  3. 大学、専門学校等の卒業
    • 3年以上
  4. 資格取得後に実務経験が必要な資格
    • 1年〜5年以上(資格による)

指定学科の修了とは、高等学校や高等専門学校、大学の指定された学科を修了することです。

ポイント:対応する業種の必要な分の経験年数はあるか

まず、対応する業種の10年(または5年・3年)の実務経験があるか確認します。

例えば、とび工事の建設業許可を取得する場合は、とび工事の実務経験が必要です。

管工事の経験が10年あっても、大工工事の実務経験としては使えません。また、指定学科の卒業によって証明する経験年数が変わることにも注意が必要です。

2.実務経験の計算方法

実務経験のカウントには以下の注意点があります。

申請先の自治体や都道府県によって個別の考え方があるため、事前に確認すると良いでしょう。

①数え方は自治体によって異なる

実務経験の数え方は、申請先の自治体によって異なります。大きく分類すると、以下の3つのパターンに分けられます。

  1. 代表の工事を1件挙げることで、その年は経験があったものとする
    • この方法では、1年間に1つの代表的な工事を挙げることで、その年全体の実務経験があったと見なされます。
  2. 工事と工事の期間が12ヶ月未満であれば、連続して経験があったものとする
    • ここでは、複数の工事が12ヶ月未満の期間で連続している場合、実務経験が連続していると見なされます。
  3. 実際の工期で計算する
    • この方法では、実際に工事が行われた期間を基に実務経験を計算します。

詳しくは、各自治体のホームページなどを確認してみましょう。

3.実務経験の証明に必要な書類

ポイント:客観的に証明する必要がある

建設業許可においての実務経験は、客観的な資料で証明する必要があります。正確に実務経験証明書を作成しても、その裏付け資料がなければ証明として認められません。

これは自治体によって求められる資料が異なるだけでなく、実務経験の数え方によっても変わってくるため注意が必要です。

①工事実績があることを証明する資料

実務経験の証明として、実際に工事の実績があることを裏付ける資料が必要です。実務経験は、経験を積んでいた場所から証明してもらうことになります。以前働いていた会社や、個人事業主としてご自身で証明する場合もあります。

雇用主(証明者)が建設業許可を持っていたかどうかで、必要な資料は大きく異なります。

雇用主が建設業許可を取得していた場合

雇用主(証明者)が建設業許可を取得していた場合は、以下の書類の写しが必要です。

  • 許可通知書
  • 許可申請書
  • 変更届
  • 廃業届

これらの書類の写しは、そのまま資料として使用できます。まず、過去に提出した書類が保管されているかを確認しましょう。

雇用主が建設業許可を取得していなかった場合

雇用主(証明者)が建設業許可を取得していなかった場合は、以下のような書類で工事実績を証明する必要があります。

  • 工事請負契約書
  • 請求書
  • 注文書
  • 入金確認資料(通帳の写しなど)

これらの資料を組み合わせて実務経験証明書の裏付けとします。工事の発注先に別途証明書をもらう場合もあります。まずは過去の契約書や通帳が保管されているかを確認しましょう。

②証明期間に常勤していたことがわかる資料

実務経験の証明として、証明期間に証明者(雇用主)のもとで働いていたことが確認できる資料も必要です。

証明者(雇用主)が個人であるか法人であるかによって、必要な資料が異なります。

雇用主が個人の場合

個人事業主として積んでいた実務経験を証明する場合など、証明者が個人の場合は以下のいずれかの書類が必要です。

  • 保険証の写し
  • 所得税確定申告書の写し(証明する期間分)
雇用主が法人の場合

以前勤めていた会社に実務経験を証明してもらう場合など、証明者が法人の場合は以下の書類が必要です。

  • 健康保険組合等による資格証明書
  • 保険証の写し
  • 健康保険・厚生年金被保険者に関する標準報酬決定通知書
  • 住民税特別徴収税額通知書
  • 直近の決算の法人用確定申告書の写し
  • 厚生年金記録照会回答票

上記の書類も自治体によって異なる場合があるため、申請先のホームページを事前に確認しておきましょう。

3.まとめ

以上、専任技術者の実務経験の証明方法について解説いたしました。

当事務所は建設業許可を専門に申請代行を行なっております。ぜひお気軽にお申し付けください。

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