建設業の業種を追加するには
建設業の業種を追加するには
目次
1.建設業の業種追加
①建設業許可は業種ごとに申請が必要
建設業の許可を取得しても、すべての種類の工事を行えるわけではありません。
建設業法に定められた異なる業種の工事を行う場合には、新たにその業種の許可を取得する必要があります。
例えば、建築一式工事の許可を持っている会社が内装工事を請け負うことはできません。もし請け負う場合には、内装工事の許可を新たに取得しなければなりません。
②許可業種を新たに取得=業種追加
建設業の許可は29業種に分かれており、それぞれで許可が必要です。
もともと許可が不要な工事しか行っていなかった、専任技術者の要件を満たせなかったなどの理由で、特定の業種の許可を取得していなかったという建設業者に多く発生する事例ですが、このような場合に、新たにその業種で事業を行いたいときには「業種追加」の手続きが必要となります。
ポイント:一般建設業許可と特定建設業許可
一般建設業許可を持っている場合は、追加できる業種も一般建設業のみです。同様に、特定建設業許可を持っている場合は、追加できる業種も特定建設業のみとなります。
2.業種追加の申請について
①業種追加の許可要件
建設業許可の新規申請と業種追加の許可要件は基本的に同じです。
業種追加だと提出する書類は少し少ないです。
建設業許可6つの要件
①誠実性・欠格要件
法人であれば、その役員(非常勤を含む)、個人事業主であれば本人が、請負契約やその履行において詐欺、脅迫、横領などの「不正な行為」または「不誠実な行為」を行うことが明らかな場合、建設業の許可を取得することはできません。
また、建設業法で定められた欠格要件に該当しないことが求められます。具体的には、以下のような場合が該当します。
- 許可に相応しくない行為をした者、または財産管理能力や意思能力に問題がある者
- 建設業法違反により営業停止などの処分を受け、その処分期間が経過していない者
- 破産者で復権を得ていない者
- 精神障害により建設業を営むために必要な判断や意思疎通ができない者
②営業所
営業所とは、本店、支店、または常時建設工事の請負契約を締結する事務所を指し、以下の要件を満たすものです。
- 建設工事の請負契約締結等の業務を実際に行っていること。
- 電話、机、事務台帳等を備えていること。
- 来客用の応接スペースを有し、居住スペースや他の法人、個人事業主と明確に区分され、独立性があること。
- 営業用事務所として使用権限を有していること。
- 看板や標識等で建設業の営業所であることを明示していること。
- 経営業務の管理責任者が常勤していること。
- 専任技術者が常勤していること。
③財産的基礎要件
許可申請時に「倒産することが明白である」場合を除き、次のいずれかの基準を満たす必要があります。
- 自己資本(貸借対照表の純資産合計)が500万円以上
- 500万円以上の資金調達能力があること
- 過去5年間許可を受けて継続営業した実績があること
※一般建設業許可の場合
④社会保険の加入
事業者が、健康保険・厚生年金・雇用保険に関し、適用される事業所である場合は、上記などの社会保険に加入していることが確認できることが必要です。
ただし、雇用のない一人親方であれば建設業法上の社会保険に関しては原則適用対象外となり、いずれも加入していなくても問題ありません。
⑤専任技術者
許可を取得するには、各営業所に専任技術者を配置することが義務付けられています。従業員を雇わず、一人で事業を行う場合、個人事業主自身が専任技術者に該当する必要があります。
次の条件のいずれかを満たす必要があります。
- 業種ごとに必要とされる国家資格の取得
- 10年以上の実務経験
- 指定学科の卒業と3年~5年の実務経験
⑥経営業務管理責任者
個人事業主においては、経営の管理・執行経験がある本人が管理責任者となります。要件として許可を受けたい業種で5年以上の経営経験が必要です。他業種であれば7年以上の経験が必要です。
上記の要件をクリアすればOKです。
詳細を知りたい方は下記の記事をご覧ください
②業種追加の費用について
業種追加を行う場合の費用は、1回あたり5万円となります。この費用は、追加する業種の数に関係なく一律5万円です。
例えば、一般建設業許可の業種追加と特定建設業許可の業種追加を同時に行う場合、各5万円ずつ、合計で10万円の手数料が必要となります。
申請手数料
知事許可 | 一般建設業 | 特定建設業 |
---|---|---|
新規 | 90,000円 | 90,000円 |
業種追加 | 50,000円 | 50,000円 |
大臣許可 | 一般建設業 | 特定建設業 |
---|---|---|
新規 | 150,000円 | 150,000円 |
業種追加 | 50,000円 | 50,000円 |
上記を見てみると新規申請よりも申請手数料が安くなっている事がわかります。
これら行政書士に依頼をするのであれば、依頼報酬がさらにかかります。
③許可の一本化
業種追加を行った場合、元の建設業許可と同じ許可番号となりますが、有効期限は異なります。
例えば、
・既に取得している一般建設業許可「電気工事」の有効期限
→ R2.4.1からR7.3.31まで
・新たに追加した一般建設業許可「大工工事」の有効期限
→ R3.4.1からR8.3.31まで
上記の場合、R7年とR8年にそれぞれ更新が必要となります。
この状況では、許可期限の管理が煩雑になり、更新申請の準備や更新手数料が2回分発生してしまいます。
こうした手間を省くための方法が「許可の一本化」です。
先に有効期限が来るR7年度の更新時に、R8年の更新分もまとめて更新することが可能です。
一本化することで、許可期限の管理や更新の手続きを一度で済ませることができます。
3.まとめ
以上、建設業許可の業種追加について解説いたしました。
当事務所は建設業許可を専門に申請代行を行なっております。ぜひお気軽にお申し付けください。
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