建設業キャリアアップシステム(CCUS)の登録をしていないことの弊害とは?

建設業キャリアアップシステム(CCUS)の登録をしていないことの弊害とは?
目次
1.建設業キャリアアップシステムの概要と目的

①概要・背景・目的
建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設業界における人材のスキルや就業履歴を記録・管理する仕組みです。
技能者一人ひとりの経験・資格・研修履歴などを「見える化」し、待遇の改善や職場環境の整備、生産性向上を図ることを目的としています。
具体的に建設キャリアアップシステム制度などを知りたい方は下記からご確認いただけます。

②将来的に義務化される可能性も

ポイント:現時点での登録は任意
現時点では登録は任意とされていますが、将来的に義務化される可能性が高く、特定の条件下では既に登録が求められる場合もあります。
実際に、国土交通省は段階的に制度の整備と本格導入を進めており、すでにいくつかの制度と連動しています。
たとえば、建設業退職金共済制度の運用においても、CCUSへの完全移行が進んでいます。今後、制度的な義務化が進めば、未登録のままでいることがリスクとなる可能性が高まります。
ポイント:外国人を雇用する場合に必須
技能実習制度や特定技能制度の対象となる外国人労働者を受け入れる事業者は、キャリアアップシステムへの登録が必須となっています。
これは企業側にも外国人側にもメリットがある事です。
- 事業者にとってのメリット
- 企業体制が明確化され取引先からの信頼が得られる
- 事務処理が容易になる
- 外国人労働者の技能経歴を把握することができるため、適切な教育訓練を実施できる
- 外国人労働者にとってのメリット
- 技能経歴の証明が簡単になる
- 転職や昇給に有利となる
- スキルや経験が適正に評価されるので、処遇改善につながる
ポイント:CCUS未登録の弊害とは?
このように建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録は義務ではないものの、様々な場面で登録が求められてきています。
そこで、企業側(雇用する側)において、CCUSに未登録のままでいることで起こりうる不利益と、今後に向けた備えについて次項から解説します。
2.CCUS登録しないことで生じるデメリットとは?
①元請企業が登録企業を優先する可能性がある

元請業者が下請けを選定する際、CCUS登録状況を重視するケースが増えています。
技能者の実績が明確な企業ほど信頼されやすいため、登録がない事業者は発注の優先順位が後回しになる場合もあるでしょう。
②経営事項審査の加点が受けられない

公共工事の入札参加には「経営事項審査(経審)」の点数が重要です。
令和5年1月1日に経営事項審査が改正されたことにより、「建設工事の担い手の育成および確保に関する取組状況」が新たな評価項目として加わりました。
さらに、令和5年8月14日以降の審査基準日を迎える申請については、「建設工事に従事する者の就業履歴の蓄積に関する取組状況」が、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用実績に応じて加点の対象とされるようになっています。
- 経営事項審査の主な改正事項(令和4年8月15日公布)※国土交通省HPより
③公共工事の受注にも影響が

ポイント:経営事項審査による加点があるということは・・・
このように、公共工事の入札に関連する経営事項審査にCCUSよる加点制度が実装されているということは、公共工事を発注する自治体や官公庁では、CCUSが整備されている業者を高く評価する傾向が強まっています。
CCUSの導入状況は、コンプライアンス意識や人材管理能力を見極める指標と見なされることもあり、登録がないことで公共工事を受注するに当たって不利になる可能性もありえます。
国土交通省のHPによると、実際に公共工事の現場でも建設キャリアアップシステムの活用を推進しています。
- 公共工事におけるインセンティブ措置の概要(国土交通省HPより)
④社外だけでなく社内にも悪影響がある可能性

ポイント:事務作業の負担
CCUSを導入していないと、作業員名簿や資格確認、就業履歴などの情報を都度手動で確認・作成する必要があります。
一方、登録しておけばこれらの情報が一元管理され、必要な時に即座に確認・出力することができます。特に多人数を抱える現場では、その差は大きくなります。
ポイント:技術者の定着率
CCUSは技能者の能力や実績を「見える化」し、企業としての適正な評価や処遇に役立ちます。
公平な評価制度があることで、従業員のモチベーション向上や長期雇用の促進にもつながります。
逆に、評価基準が不明瞭なままだと、優秀な人材が離職する原因にもなり得ます。
3.まとめ
以上、建設業キャリアアップシステム(CCUS)の登録をしていないことの弊害とは?について、解説しました。
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