経営事項審査とは

経営事項審査とは

1. 経営事項審査制度の概要
①経営事項審査とは

ポイント:公共工事を請け負うために必要な審査
経営事項審査は、国や地方公共団体などが発注する公共事業を直接請け負う際に必ず受けなければならない審査です。
公共事業の発注機関は、競争入札に参加する建設業者の資格審査を行います。この資格審査では、欠格要件に該当しないかを確認した上で、「客観的事項」と「発注者別評価」の審査結果を点数化し、総合点数で格付けします。
このうち、「客観的事項」に該当する審査が「経営事項審査」です。
「経営事項審査」は、どの発注機関でも同一の結果となるべきものであるため、特定の第三者が統一的に一定基準に基づいて審査を行うことが効率的です。また、この審査は建設業行政と密接に関連しているため、建設業法により建設業許可に係る許可行政庁が審査を実施します。
ポイント:対象となる「公共工事」とは
経営事項審査を受けなければ直接請け負うことができない工事(公共工事)とは、次に掲げる発注者が発注する施設または工作物に関する建設工事で、1件の請負代金額が500万円以上(建築一式工事の場合は1500万円以上)のものです。
発注者
- 国
- 地方公共団体
- 法人税別表第一に掲げる公共法人(地方公共団体を除く)
- 国土交通省令で定める法人(例:関西国際空港株式会社、首都高速道路株式会社、東京地下鉄株式会社など)
ポイント:建設業許可取得していることが必須
請負金額が軽微な工事の金額を超えることからわかるように、経営事項審査を受けるには、大前提として建設業許可を取得している必要があります。
また、許可業者の義務である決算変更届も必ず提出していなければなりません。
言い換えると、公共工事を受けるためには建設業許可を取得していることが必要ということになります。
ポイント:経営事項審査が必要な理由
公共工事の資金源は国民が納める税金であるため、国や自治体には信頼できる建設業者を選ぶ責任があります。
その一環として、経営基盤や技術力がしっかりした業者を選定するための経営事項審査が実施されます。
経営基盤や技術力がしっかりしているからといって、同じ建設業者に依頼し続けるのも不平等です。
そのため、公共工事の発注では税金が特定の業者に集中しないよう「競争入札」が導入されています。競争入札に参加するには、毎回経審結果通知書の提出が必要です。
ポイント:経営事項審査結果の期限は?
経審結果通知書の有効期限は審査基準日から1年7ヵ月間です。
この期間内であれば、同じ通知書を使って競争入札に参加できますが、有効期限が切れた場合は再審査を受け、新しい結果通知書を取得しなければなりません。
ポイント:経営事項審査を行う機関は?
経審は「経営状況分析」と「経営規模等評価」の2つで構成されており、それぞれ下記の機関が行います
- 経営状況分析
- 建設業者の経営状況を診断する手続きで、国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関が実施します。
- 経営規模等評価
- 経営規模や技術力、社会性などを評価する手続きで許可行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)が行います。
②経営事項審査の流れ(福岡県の場合)
①決算変更届の提出
決算終了後4ヶ月以内に、所轄の県土整備事務所建築指導課へ変更届を提出します。初めて受審する場合は2~3年分が必要です。
②経営規模等評価申請予約申込み
「ふくおか電子申請サービス」で予約申し込みを受け付けます。申し込み後、郵送開始日や番号が通知されます。
③経営状況分析申請
登録分析機関を選び、手数料を納付して必要書類を提出します。
④経営状況分析結果通知書受領
経営状況分析が完了すると『経営状況分析結果通知書』が発行されます。
⑤経営事項審査の申請
郵送開始日以降に、申請書、添付書類、審査手数料を郵送で提出します。対面審査はありません。
⑥審査結果通知
審査後約2ヶ月で『評価結果通知書』が郵送されます。
③経営事項審査の仕組み
「経営状況分析」結果(Y) + 「経営規模等評価」結果(X・Z・W) = 「総合評定値」(P)
経営事項審査は上記の式に基づいて、建設業者の評価を客観的である点数にし、ランク付けします。
建設業者は、そのランクに応じた規模の工事に入札できるようになります。
ではどのような点が評価の基準になるか確認していきましょう。
ポイント:経営状況の把握に決算変更届が必要です。
経営状況分析では、提出された建設業財務諸表を用いて評点を算出します。
一方、経営規模等評価においても、工事経歴書や業種別完成工事高の数値がそのまま利用されます。
これらのデータは、すべて決算変更届に基づいて提出されるものです。
決算変更届は、すべての建設業許可業者が果たすべき義務です。
決算終了後の4ヶ月以内に、建設業財務諸表や工事経歴書などを許可行政庁に提出する必要があります。
決算変更届については、別の記事で解説しておりますので、下記をご覧ください

2.まとめ
以上、経営事項審査について解説いたしました。
公共工事を入札したい場合には必ず必要な手続きであるということがお分かりいただけたかと思います。
建設業許可を新規で取得しようと考えている方
建設業許可は取得した後の
フォローが重要です

5年ごとの更新手続き・毎年の決算変更届の提出
必ず行わなければなりません
一生、建設業をやるのであれば

長く付き合いができる
行政書士を選ぶべきです
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今回解説した経営事項審査についても、申請代行を行なっておりますので、ぜひお気軽にお申し付けください。
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