経営業務の管理責任者とは
専門行政書士が解説
経営業務の管理責任者とは
建設業許可要件①
目次
経営業務の管理責任者とは
1.経営業務の管理責任者が建設業許可取得に必要です
建設業許可業者となるためには、経営業務の管理責任者としての経験がある者を有することが求められます(法第7条第1号・第15条第1号)。
具体的には、許可を申請する法人では常勤の役員(監査役を除く)のうち1人が、個人の場合は本人または支配人のうち1人が、経営業務の管理責任者の要件を満たす必要があります。
具体的には下記のように定められています。
もう少し詳しく見てみましょう。
①経営業務の管理責任者に当てはまる人
ポイント:個人事業主 → 本人 or 支配人 法人 → 役員
具体的には、許可を申請する法人では常勤の役員(監査役を除く)のうち1人が、個人の場合は本人または支配人のうち1人が、経営業務の管理責任者の要件を満たす必要があります。
ポイント:専属かつ常勤での勤務
- 申請会社で専属かつ常勤で働いていることが必要です。
- 他の会社での建設業法上の常勤役員等や専任技術者として登録されている場合は認められません。
- 書面による証明方法は、申請会社の健康保険証が必要です。
②経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有する者
- 建設業を経営者として5年以上経営した経験がある者
- 建設業で5年以上権限委譲を受けた執行役員などをした経験がある者
- 経営者に準ずる地位で経営を管理した経験がある
- 建設業で6年以上準ずる地位の者として経営者を補佐した経験がある者
- 常勤役員などが次の(1)(2)いずれかで、かつ直接に補佐する者として次の(3)(4)(5)をそれぞれ置いている
- 【常勤役員など】
(1)建設業で2年以上役員などの経験があり、かつ5年以上役員などまたは役員などに次ぐ職責上の地位で(財務管理、労務管理、業務運営を担当する者)としての経験がある
(2)5年以上役員などとしての経験があり、かつ建設業で2年以上役員などとしての経験がある - 【直接に補佐する者】
(3)許可申請をする建設業者で5年以上の財務管理をしている
(4)許可申請をする建設業者で5年以上の労務管理をしている
(5)許可申請をする建設業者で5年以上の業務運営をしている
- 【常勤役員など】
ポイント:簡易的にチェックするなら下記を確認
- 申請会社における常勤の取締役
- 5年以上の取締役または個人事業主としての経験
- その5年間、建設業をおこなっていたこと
取締役もしくは個人事業主として、
建設業の経営経験が5年以上ありますか?
ポイント:申請者自身が要件を満たさない場合は
申請者自身が要件を満たさない場合には、下記の記事をご覧ください。
2.経営業務の管理責任者の経験の証明方法
経営業務の管理責任者としての経験は、過去の経験を証明する書類で証明する必要があります。必要な書類は都道府県ごとに異なりますので、注意しましょう。
①現在の常勤性を証明するもの
・健康保険被保険証の写し
ただし、保険証に事業所名が印字されていない場合は、以下のいずれかの資料が必要です。
- 健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書
- 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書
- 住民税特別徴収税額通知書(徴収義務者用)(原本提示)または住民税特別徴収切替申請書(原本提示)
- 確定申告書(法人の場合は表紙と役員報酬明細の写し(原本提示)、個人の場合は第1表と第2表の写し(原本提示))
- その他
②過去の経営経験を証明するもの
・法人の役員の場合
期間分の登記簿謄本(登記事項証明書、履歴事項全部証明書、閉鎖事項証明書など)で証明します。
- ※株式会社では、役員の任期が各会社によって異なります。任期満了後の役員重任登記を怠っている場合は、役員経験としてカウントできないので注意が必要です。
・建設業法施行令第3条に規定する使用人の場合
期間分の建設業許可申請書および変更届出書の写し
・個人の場合
受付印のある確定申告書の写し(第1表と第2表)
- ※事業所得ではなく給与所得として申告した確定申告書は、事業者性が欠けるため不可となる可能性が高いです。事業所得と給与所得の両方を申告している場合、追加確認資料を求められることがあります。
③上記期間の実務内容を確認する資料
以下のいずれかの資料が必要です。
- 建設業許可通知書の写し
- 建設業許可通知書を紛失した場合や前勤務先からコピーをもらえない場合は、建設業課に確認の上、申請の際に添付不要とすることができます。
- 請負契約書、請書、注文書、請求書等の写し(期間通年分の原本提示)
- 請求書の場合、請求金額が入金されたことを確認するために通帳の写しを提出する必要があります(原本提示)。
通帳を紛失した場合は、取扱金融機関から取引明細を期間分発行してもらえば代替可能です。ただし、金融機関によっては過去数年分しか発行できない場合もあるので、事前に取扱金融機関に確認してください。
※発注書のコピーなどで従前の会社から原本を借りられない場合、予め審査担当に相談し、コピーのみで受理してもらえるケースもあります。
- 請求書の場合、請求金額が入金されたことを確認するために通帳の写しを提出する必要があります(原本提示)。
- 大臣特認の場合、その認定証の写し(原本提示)
※上記は一例です。その他の確認資料により証明することも可能ですので、まずはご相談ください。
3.主な経営業務の管理責任者の例
- 既に許可を有する建設業者の役員経験を5年以上有する場合
- 個人事業主として建設業を5年以上営んでいた経験を有する場合
- 建設業許可は有していないが、許可を受けようとする建設業に関し、確かな実績と裏付けがある法人の役員経験を5年以上有する場合
- 建設業許可は有していないが、何らかの建設業を営んだ確かな実績と裏付けがある法人の役員経験を7年以上有する場合
- 許可を受けている建設業者の令3条使用人(支店長等)の経験を5年以上有する場合
4.まとめ
以上、建設業許可の要件の一つある経営業務の管理責任者について解説いたしました。
当事務所は建設業許可を専門に申請代行を行なっております。ぜひお気軽にお申し付けください。
併せて読みたい記事
お問い合わせは下記から
お気軽にお問い合わせください。092−725−2275受付時間 8:00-19:00 [ 土日祝対応可 ]
お問い合わせ