500万円を超えないように注文書を分けるのはNGです

専門行政書士が解説

500万円を超えないように注文書を分けるのはNGです

1.軽微な工事は建設業許可は不要ですが・・・

建設工事を行うためには通常、建設業の許可が必要です。しかし、工事金額が500万円未満の「軽微な建設工事」に関しては、建設業許可を受けずに請け負うことが可能です。

となると、500万円以上の工事にならないよう、「工事費用」と「部材費用」で注文書や契約書を分けたら大丈夫と思われている方も多いですが、結論として、工事を500万円未満に分割して請け負うことは許されません。

契約書を分けて無許可で工事を請け負うことは、建設業法に違反する行為となります。

①軽微な工事とは

先述の通り、軽微な工事のみを請け負う場合、建設業許可は不要です。

軽微な工事とは下記のように定義されています。

[1]建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事

●「木造」…建築基準法第2条第5号に定める主要構造部が木造であるもの

●「住宅」…住宅、共同住宅及び店舗等との併用住宅で、延べ面積が2分の1以上を居住の用に供するもの

[2] 建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事

※上記金額には取引に係る消費税及び地方消費税の額を含みます。

国土交通省HPより引用
②500万円未満になるよう分割するのは違法です

軽微な工事として対応すれば、建設業許可が不要なので、手間もかからないし、許可取得費用もかからないので、注文書や契約書を分ければ良いと考えている方も多いんですが・・・

建設業法施工令という法律に、注文書の分割をすることはNGと記載があります。

法第三条第一項ただし書の軽微な建設工事

2 前項の請負代金の額は、同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額とする。ただし、正当な理由に基いて契約を分割したときは、この限りでない。

建設業法施行令|e-Gov法令検索

したがって、契約書の体裁ではなく工事の実態で判断されます。

2.軽微でない工事を無許可で請け負うことは違法です

  • 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
  • 法人の場合は1億円以下の罰金

違反した場合、以上のような重い罰則が科される可能性があります。

また、これら建設業は29種類ある業種ごとに免許を必要とします。許可のない業種で500万円以上の建設工事の依頼があった場合は、依頼を断るか、許可を持っている業者を紹介するようにしましょう。

近年では、企業経営においてコンプライアンス意識が非常に重要視されています。

許可が必要ない事業者でも、社会的信用を得るために建設業許可を取得するケースが増えています。元請けに建設業許可を取得してほしいと頼まれることもあるようです。

建設業許可の取得は、事業の幅を広げるだけでなく、公共工事なども請け負う事ができるようになります。

建設業許可取得のメリットを知りたい方は過去の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

詳細はこちらから

3.まとめ

以上、工事を500万円未満に分割して請け負うことについて解説しました。違法行為となりますので、絶対にやらないようにしましょう。

当事務所は建設業許可を専門に申請代行を行なっております。ぜひお気軽にお申し付けください。

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