都道府県知事の建設業許可で他県の工事はできる?
都道府県知事の建設業許可で他県の工事はできる?
目次
1.結論:他県の工事できます
ポイント:他県の工事は可能
例えば、福岡県の工事を施工するからといって、福岡県の免許が必要ということではありません。
つまりは、どこかの都道府県で免許を取得していれば、他県でも施工することが可能ということです。
もう少し詳しくみてみましょう。
①建設業許可とは
「建設業許可」とは、建設業法に基づき、一定規模以上の建設工事を請け負う場合に国土交通大臣または都道府県知事から受けなければならない許可です。
建設業許可が必要な状況で、許可を受けずに工事を請け負うと、建設業法違反として行政処分の対象となることがあります。
ポイント:軽微な工事のみの場合には許可不要
ただし、以下に該当する工事は「軽微な工事」として、建設業許可を受けずに請け負うことが認められています。
〇建築一式工事の場合
- 工事1件の請負金額が1,500万円未満の工事
- 延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
〇建築一式工事以外の建設工事の場合
- 工事1件の請負金額が税込500万円未満の工事
建設業許可について詳しく知りたい方は下記からご覧ください。
②大臣許可と知事許可
ポイント:よくある誤解に注意
建設業許可には、国土交通大臣許可と都道府県知事許可がありますが、
大臣許可は全国の工事ができ、知事許可は許可を受けた都道府県内の工事しか行えないと誤解されることがあります。
しかし実際には、建設業許可を取得していれば、許可の種類にかかわらず、日本全国で工事を請け負い、施工することが可能です。
ポイント:知事許可か大臣許可かどちらに該当しますか?
建設業の許可を取得するにあたって、許可権者は「都道府県知事」か「国道交通大臣」のどちらかになります。
これらの知事許可か大臣免許かは自由に選べるわけではありません。
ではどのように区分されるのでしょうか?
ポイント:営業所の設置状況によって区分される
建設業の許可は、許可を受けようとする者の「営業所」の設置状況によって、大臣許可と知事許可に区分されます。
区分の方法
建設業を営もうとする営業所が
・一つの都道府県の区域内にのみ存する場合
→都道府県知事が許可
・二つ以上の都道府県に存する場合
→国土交通大臣が許可
例を挙げると、
福岡県のみ営業所がある場合には、福岡県知事許可
福岡県と佐賀県に営業所がある場合には、国土交通大臣許可
となるわけですね。
ポイント:他県の営業所が軽微な工事のみを行う場合であっても大臣許可になる
また、許可を受けた業種に関して軽微な建設工事のみを行う場合も、法に規定する営業所に該当し、当該営業所が主たる営業所の所在する都道府県以外の区域内に設けられている場合は、国土交通大臣の許可が必要です。
ということで、大臣許可及び知事許可とも営業できる区域及び建設工事を施工できる区域について制限はありません。
つまり、許可の種類に関わらず、他県で工事ができるということです。
2.他県で工事施工する際の注意点
①他県に営業所を新設する場合は大臣許可必要
先述の通り、知事許可を受けた建設業者は、日本全国で工事を請け負い、施工することは可能です。
ただし、他県に営業所を新設する際には国土交通大臣許可が必要です。
なお、営業所については下記の要件をクリアする必要がありますので、確認しておきましょう
ポイント:営業所の要件
- 建設工事の請負契約締結等の業務を実際に行っていること。
- 電話、机、事務台帳等を備えていること。
- 来客用の応接スペースを有し、居住スペースや他の法人、個人事業主と明確に区分され、独立性があること。
- 営業用事務所として使用権限を有していること。
- 看板や標識等で建設業の営業所であることを明示していること。
- 経営業務の管理責任者が常勤していること。
- 専任技術者が常勤していること。
建設業許可の営業所について詳しく知りたい方は過去の記事で解説していますので、下記からご確認ください。
②工事施工場所には技術者の配置が必要
工事の施工現場には、技術者を配置する必要があります。
建設業許可業者は、建設工事が適正に行われるように、各施工現場に対してその工事に必要な資格を持つ技術者を配置しなければなりません。
この現場に配置される技術者は、「主任技術者」または「監理技術者」と呼ばれています。
3.まとめ
以上、都道府県知事の建設業許可で他県の工事はできるか解説させていただきました。
当事務所は建設業許可を専門に申請代行を行なっております。
ぜひお気軽にご相談ください。
併せて読みたい記事
お問い合わせは下記から
お気軽にお問い合わせください。092−725−2275受付時間 8:00-19:00 [ 土日祝対応可 ]
お問い合わせ