建設業許可申請にかかる費用の目安

専門行政書士が解説
建設業許可申請にかかる費用の目安
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目次
1.建設業許可取得には費用がかかります

建設業許可を申請する場合には、様々な費用が発生します。
許可権者に申請する際の申請手数料や行政書士に依頼する場合には報酬費用、申請書類に添付する法定書類を取得する必要もあります。
また、新規申請時だけでなく、更新時や許可業種を追加する際など、許可を取得した後も様々な費用が発生します。
建設業許可を取得する上で、どれくらい費用がかかるのか、しっかりと把握しておくことは重要です!ぜひ最後までご覧ください。
2.新規申請時にかかる費用

①審査手数料(法定の許可申請料)
建設業許可を申請する際には、法律で定められた審査手数料を支払う必要があります。
この手数料は、申請する許可の種類(知事許可または大臣許可)や、申請内容(一般・特定)によって異なります。
手数料の金額
- 知事許可(一般または特定):9万円
- 大臣許可(一般または特定):15万円
- 一般+特定を同時申請する場合(知事):18万円
- 一般+特定を同時申請する場合(大臣):30万円
支払い方法
- 大臣許可の場合
- 郵便局等で収入印紙を購入し、申請書に貼付。
- 知事許可の場合
- 各都道府県指定の証紙を購入し、提出書類に貼付。
※「収入印紙」と「証紙」は別物なので、間違えないように注意が必要です。
② 行政書士への報酬費用
建設業許可の申請は、専門知識と書類作成の経験が必要となるため、行政書士に依頼するケースが一般的です。
行政書士に依頼する場合、報酬費用が発生します。
一般的な報酬の相場
- 知事許可(新規申請):8万〜15万円前後
- 大臣許可(新規申請):15万〜25万円前後
※申請内容の複雑さや地域、申請件数などによって変動します。
事前に無料相談を行っている事務所も多く、見積もりをもらってから依頼するのが良いでしょう!
③ 書類の実費(法定費用)
申請に必要な各種証明書類の取得には、実費がかかります。これらは行政書士に依頼する場合でも、別途負担が必要です。
主な証明書と費用目安
書類名 | 発行場所 | 単価(目安) |
---|---|---|
履歴事項全部証明書(法人の場合) | 法務局 | 600円 |
納税証明書 | 県税事務所 | 400円 |
残高証明書 | 銀行 | 400円〜1,000円 |
登記されていないことの証明書 | 法務局 | 300円 |
身分証明書 | 本籍地の市区町村 | 300円 |
これらの書類は、申請者の役員や経営業務の管理責任者、専任技術者の分も必要となるため、実費は1万円前後になるケースもあります。
3.建設業許可の維持にかかる費用

建設業許可は、一度取得すれば終わりではありません。事業を継続していくには、決算報告・更新・各種変更届など、定期的な手続きが求められます。これらの手続きには、必要に応じて費用がかかるため、あらかじめ把握しておくことが大切です。
① 決算報告にかかる費用
ポイント:決算報告が毎年度必要。未提出だと更新が受けられない。
建設業を営む事業者は、毎事業年度終了後4ヶ月以内に「事業年度終了報告(決算変更届)」を提出しなければなりません。
これは、建設業法に基づく義務です。
費用内訳
- 法定費用:なし
- 行政書士への報酬(相場):1年度分あたり約3万〜4万円
決算報告には、財務諸表の作成や工事経歴書の整理など専門的な知識が必要なため、多くの事業者が行政書士に依頼しています。事業が複雑で工事数が多い場合、追加費用がかかることもあります。
この決算変更届を提出していないと許可更新を受けることができませんので、注意しましょう。
②許可更新にかかる費用(5年ごと)
ポイント:更新は有効期限の90日前から30日前までに行う
建設業許可には有効期限(5年間)があり、継続して建設業を行うためには更新手続きを行う必要があります。更新のタイミングを逃すと許可が失効してしまうため、注意が必要です。
更新申請は、有効期限の90日前から30日前までに行う必要があります。
申請受付の開始時期は許可先によって異なりますが、福岡県では有効期間満了の3ヶ月前から受付を行っており、更新の審査には30日程度かかりますので、早め早めにスケジュールを立てるようにしましょう。
費用内訳
- 法定費用
- 知事・大臣共通:5万円
- 一般+特定を同時更新:10万円
- 行政書士への報酬(相場):約7万円〜10万円
更新手続きでは、これまでの決算報告がきちんと行われているかどうかが審査対象となります。更新直前になって慌てないよう、毎年の報告を忘れずに行っておくことが重要です。
③ 変更届にかかる費用
会社の体制や所在地などに変更があった場合は、「変更届」を提出しなければなりません。届出を怠ると、虚偽申請と見なされる恐れがあるため、注意が必要です。
届出が必要な主なケース
- 商号(会社名)の変更
- 営業所の所在地変更
- 経営業務の管理責任者の変更
- 専任技術者の変更 など
費用内訳
- 法定費用:なし
- 行政書士への報酬(相場):1件あたり約2万円〜3万円
変更届は内容によって必要書類が異なるため、行政書士に依頼することで正確かつ迅速に手続きが行えます。
4.事業拡大で必要な費用

①業種追加にかかる費用
建設業許可を取得した後に、新たな工事の種類(業種)を追加したい場合は、「業種追加申請」を行う必要があります。
業種追加の例
例1)塗装工事業の許可を取得し、その後に防水工事業を追加する
例2)電気工事業の許可を取得し、その後に電気通信工事業を追加する
費用内訳
- 法定費用
- 知事・大臣共通:5万円
- 一般+特定を同時更新:10万円
- 行政書士への報酬(相場):約7万円〜8万円
将来的に業種追加の可能性がある場合は、最初の段階でまとめて申請する方が新規申請手数料の9万円で済むため、経済的です。
②法人設立にかかる費用
建設業を個人事業から法人化(株式会社設立)する場合、登記費用や定款認証費用など、法人設立にかかるコストが発生します。
法人登記や建設業許可に必要な費用
- 法人登記:約23.5万円(株式会社の場合)
- 登録免許税:約15万円
- 定款印紙代:4万円(電子認証なら0円)
- 定款認証手数料 ※資本金の額によって変わる
- 100万円未満:15,000円※2024年11月〜
- 100万以上300万未満の場合:40,000円
- それ以外:50,000円
行政書士などに依頼した場合の報酬費用目安
- 法人設立(定款作成等代行費用等)
- 5万円〜10万円
- 設立登記(司法書士に依頼)
- 3万円〜7万円
ポイント:個人で取得した許可を承継することも可能
個人事業での許可を廃止せずに法人に引き継ぐことは可能です。
令和2年10月に新設された制度法改正で新たにできるようになった手続きです。
この承継手続きでは、承継の事実が発生する前に認可を受ける必要があるため、事前確認が欠かせません。多くの許可行政庁が発行する手引きにも、「事前に相談してください」と記載されていることがほとんどです。
許可承継を行政書士に依頼する場合には別途報酬が必要となります。
規模や状況によって金額は変動するので、見積をしっかりと取得するようにしましょう。
ポイント:承継せず新たに許可を取り直すことも可能
個人から法人へ建設業許可を承継しないのであれば、法人として新規で許可を取り直すしかありません。
その場合は新たに審査手数料がかかってしまったり、許可番号が変わってしまったりとデメリットもありますので、事前に確認しておくようにしましょう。
詳しくは過去のページで解説していますので、下記からご覧ください。

5.まとめ
以上、建設業許可にかかる費用について解説しました。
建設業許可を新規で取得しようと考えている方
建設業許可は取得した後の
フォローが重要です

5年ごとの更新手続き・毎年の決算変更届の提出
必ず行わなければなりません
一生、建設業をやるのであれば

長く付き合いができる
行政書士を選ぶべきです
当事務所であれば

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詳しくは下記の記事をご覧ください!
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