一般建設業と特定建設業・大臣免許と知事免許

専門行政書士が解説

一般建設業と特定建設業
大臣免許と知事免許

建設業許可の基本知識②

建設工事の完成を請け負うことを営業するには、その工事が公共工事であるか民間工事であるかを問わず、建設業法第3条に基づき建設業の許可を受けなければなりません。

 ただし、「軽微な建設工事」のみを請け負って営業する場合には、必ずしも建設業の許可を受けなくてもよいこととされています。

国土交通省H Pより

このように、建設工事を請け負う際には、原則、建設業許可を受けなければならないと、法律で決まっています。

これから建設業許可の取得を考えている事業者様にとって、まずは建設業許可がどのようなものなのかを知りたい方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、建設業許可の制度の基本知識をざっくりと解説しています。

前回の記事の続きとなりますので、先に下記のページをご覧いただく方が分かりやすいと思います。

前回の記事はこちらをクリック

今回の記事では、県知事免許や大臣免許、一般建設業や特定建設業について解説しています。

結論:建設業許可制度について、ざっくりと理解できます。PART2

①建設業の許可権者の種類

ポイント:知事許可か大臣許可かどちらに該当しますか?

建設業の許可を取得するにあたって、許可権者は「都道府県知事」か「国道交通大臣」のどちらかになります。

これらの知事許可か大臣免許かは自由に選べるわけではありません。

ではどのように区分されるのでしょうか?

ポイント:営業所の設置状況によって区分される

建設業の許可は、許可を受けようとする者の「営業所」の設置状況によって、大臣許可と知事許可に区分されます。

区分の方法

建設業を営もうとする営業所が
・一つの都道府県の区域内にのみ存する場合
都道府県知事が許可
・二つ以上の都道府県に存する場合
国土交通大臣が許可

例を挙げると、

福岡県のみ営業所がある場合には、福岡県知事許可

福岡県と佐賀県に営業所がある場合には、国土交通大臣許可

となるわけですね。

また、許可を受けた業種に関して軽微な建設工事のみを行う場合も、法に規定する営業所に該当し、当該営業所が主たる営業所の所在する都道府県以外の区域内に設けられている場合は、国土交通大臣の許可が必要です。

なお、大臣許可及び知事許可とも営業できる区域及び建設工事を施工できる区域について制限はありません。

建設業許可の営業所には以下の要件があります。申請時にはこれらが写真で確認されます。

営業所の要件

  1. 実際に請負契約の見積もり、入札、請負契約等の業務を行っている事務所であること。
    • ただし、建設業に無関係な本店・支店、単なる登記上の本店、事務連絡所、工事事務所、作業所は認められません。
  2. 机やOA機器(電話等)が備えられていること。
  3. 応接セットが備えられていること。
  4. 入口や郵便受けに商号・営業所名が表示されていること。
  5. 許可取得後は、建設業許可票が設置されていること。
    • 細かい取扱いは許可行政庁により異なります。

②一般建設業と特定建設業の違い

軽微な建設工事のみを請け負って営業する場合を除き、建設業を営む者は、元請・下請を問わず一般建設業の許可を受けなければなりません。

ただし、発注者から直接工事を請け負い、かつ4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上を下請契約して工事を施工する者は、特定建設業の許可を受けなければなりません。(建設業法第3条(施行令第2条))

少し分かりにくいかもしれないので、判断基準の例を挙げておきます。

ポイント:まずは元請けとして工事を受注するかどうか

特定建設業ではなく、一般建設業の許可を取ればいいケース

・元請けとして工事を受注することがない
・元請けとして受注したとしても下請け工事として出さない場合
・下請けに出す請負工事の合計金額が4500万未満

特定建設業を取得するケース

・施主から直接元請けとして工事を受注する予定がある
・下請けに出す予定がある
・下請けに出す請負工事の合計金額が4500万円以上になる予定
※上記全てに該当する場合、特定建設業の取得が必要です

③建設業許可の要件

ポイント:建設業許可を受けるためには6つの要件をクリアする必要がある

建設業許可は誰でも取得できるものではありません。

建設業法は

1.建設工事の適正な施工を確保
2.発注者の保護
3.建設業の健全な発達を促進

を目的としており、これらの目的を達成できるものしか、建設業許可は取得できません。その要件とは下記のとおりです。

これらの要件は次回の記事にて詳しく解説していきます。

まとめ

以上、建設業許可の基本知識②ということで説明させていただきました。

この記事には続きがありますので、ぜひ下記のページから最後までご覧になられてください。

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併せて読みたい記事
建設業許可の6つの要件(前編)
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