産業廃棄物の収集運搬に適した「容器」とは?

専門行政書士が解説

産業廃棄物の収集運搬に適した「容器」とは?

1.産業廃棄物収集運搬業許可の要件の一つ、収集運搬に適した「容器」とは

ポイント:収集、運搬に適した容器は許可要件の一つ

5つの許可要件

  1. 講習会を受講し、修了証を有していること
  2. 経理的基礎を有していること
  3. 適法かつ適切な事業計画を整えていること
  4. 収集運搬施設(運搬車両・容器・駐車場等)があること
  5. 欠格事由に該当しないこと

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するためには、単に車両があれば良いというわけではありません。
運搬する廃棄物の性質に合わせた「適切な運搬容器」を備えていることが、許可要件の一つとして非常に重要視されます。

ポイント:なぜ「容器」が重要なのか?収集運搬の基準

産業廃棄物の収集運搬にあたっては、法律(廃棄物処理法)により厳しい基準が設けられています。
主な目的は、生活環境の保全と公衆衛生の向上です。

具体的には、以下の3点を満たす容器を使用しなければなりません。

容器の基準
  • 飛散・流出の防止: 運搬中に廃棄物が道路に散らばったり、液体が漏れ出したりしないこと。
  • 悪臭の漏洩防止: 周囲に不快な匂いを広げない密閉性があること。
  • 安全性の確保: 性質に応じて、他の廃棄物と混ざらないようにすることや、人の健康に被害が出ないようにすること。

これらの基準を満たせない場合、許可が下りないだけでなく、不法投棄とみなされるリスクもあるため注意が必要です。

2.産業廃棄物の種類別・代表的な容器

産業廃棄物はその形状(固体、液体、粉体など)によって、最適な容器が異なります。代表的なものは以下の通りです。

①ドラム缶

汎用性が高く、安価で扱いやすい容器です。

鉄製ドラム缶(蓋付き・クローズド)
  • オープンドラム: 蓋が取り外せるタイプで、固形物や粉末状の廃棄物に適しています。
  • クローズドドラム: 天板に注入口があるタイプで、液状の廃棄物に使用されます。 ※ただし、鉄を腐食させる「廃酸」や「廃アルカリ」には使用できません。
プラスチックドラム(ケミカルドラム)
  • プラスチックドラム:スチール製よりも軽量で、耐薬品性・耐油性に優れています。鉄製ドラムでは対応できない「廃酸」や「廃アルカリ」の運搬に最適です。

②フレキシブルコンテナ(フレコンバッグ)

「フレコン」と呼ばれる布製の袋です。

  • 特徴: 柔軟性があり、使用しないときは折りたためるため効率的です。
  • 適応: 廃プラスチック、くず類、粉状の廃棄物など、液状以外の幅広い品目に対応します
③産廃コンテナ(バッカン)

主に建設現場などで発生するがれき類や、大量の固形廃棄物を一時保管・運搬するために使用されます。運搬には専用の脱着装置付きコンテナ車が必要です

④一斗缶・ポリタンク

少量の液状廃棄物(廃油など)に適しています。腐食性がある液体の場合は、プラスチック製のポリタンクが選ばれます。

3.品目別容器の組み合わせ例

廃棄物の種類によって、「直積み(容器なし)」が可能か、「容器が必須」かが分かれます。以下は一般的な対応例です。

産業廃棄物の種類推奨される容器
廃プラスチック・金属くず直積み可能、フレコン、コンテナ
汚泥・燃え殻蓋付ドラム缶、フレコン、密閉コンテナ
廃油クローズドラム、一斗缶
廃酸・廃アルカリプラスチックドラム、ポリタンク
石綿含有産業廃棄物耐水性プラスチック袋での二重梱包など

※車両の構造(タンク車や水密仕様ダンプなど)によっては、容器なしで運搬できるケースもあります。

4.まとめ

以上、産業廃棄物の収集運搬に適した「容器」とは?について解説しました。

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