【建設業許可】指定学科の学科名一覧|自分の学科が該当するかの確認方法

【建設業許可】指定学科の学科名一覧|自分の学科が該当するかの確認方法
「電子情報科を卒業しているのですが、電気工事の指定学科になりますか?」
営業所技術者(旧:専任技術者)を学歴で証明しようとすると、必ずこの質問にぶつかります。
指定学科を卒業していれば、10年必要な実務経験が3年または5年に短縮されるため、該当するかどうかで準備がまったく変わるからです。
ところが、法令には「電気工学に関する学科」のような大きなくくりしか書かれていません。
実際の学科名がそのくくりに入るかどうかは、行政庁の手引きにある一覧で確認することになります。
結論から申し上げると、電子情報科は「電気工学に関する学科」に当たり、電気工事業の指定学科になります。
ただし電気工事業は、電気工事士の免状がないと従事できない工事があるため、実務経験の数え方に注意が必要です。
今回は、指定学科に当たる具体的な学科名の一覧と、一覧にない学科の扱いについて、埼玉県・東京都・福岡県の手引きをもとに解説いたします。
1.指定学科とは
①法令が決めているのは「〇〇に関する学科」までです
ポイント:具体的な学科名は法令のどこにも書かれていません
まず、指定学科の根拠を確認しておきます。
建設業法は、学歴と実務経験で営業所技術者になれる人を次のように定めています。
第七条(許可の基準)
出典:建設業法 第7条(e-Gov法令検索)/太字は当事務所によるもの
二 その営業所ごとに、営業所技術者(中略)を専任の者として置く者であること。
イ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校(中略)若しくは中等教育学校を卒業した後五年以上又は同法による大学(中略)若しくは高等専門学校(中略)を卒業した(同法による専門職大学の前期課程を修了した場合を含む。)後三年以上実務の経験を有する者で在学中に国土交通省令で定める学科を修めたもの
ここでいう「国土交通省令で定める学科」が、いわゆる指定学科です。
建設業法施行規則第1条は、29業種それぞれについて指定学科を定めています。
条文は長いため、全文をご覧になりたい方は「続きを読む」から開いてください。
ご覧のとおり、条文は「電気工学に関する学科」「建築学に関する学科」という学問分野のくくりで止まっています。
「電子情報科」「設備工業科」のような実際の学科名が、どのくくりに入るのかまでは書かれていません。
そこで、行政庁が手引きに載せている学科名の一覧を使うことになります。
②指定学科なら実務経験が3年または5年に短縮されます
ポイント:短縮される年数は学校の種類で決まります
指定学科を卒業した場合に必要な実務経験の年数は、学校の種類によって次のとおり分かれます。
専修学校(いわゆる専門学校)の卒業者は、上の建設業法第7条第2号イには書かれていませんが、国土交通大臣が同等以上と認める者として扱われています。
指定学科を卒業した場合に必要な実務経験
- 高等学校・中等教育学校:卒業後5年以上
- 大学・短期大学・高等専門学校:卒業後3年以上
- 専修学校の専門課程:卒業後5年以上(専門士・高度専門士を称する者は3年以上)
- 指定学科を卒業していない場合:10年以上
※出典:福岡県「建設業許可申請等の手引き」第1 建設業許可のあらまし 18頁、埼玉県「建設業許可申請・届出の手引き」(令和8年4月)18頁、東京都「建設業許可申請変更の手引」(令和8年度)77頁
ここで数える実務経験は、許可を受けようとする業種の工事についての経験に限られます。
また、施行規則第1条の表は一般建設業の許可についてのものです。
特定建設業の営業所技術者には、これとは別の要件が定められています。
実務経験の年数の数え方や、実務経験証明書の書き方については下記の記事で解説しています。

2.指定学科に当たる具体的な学科名の一覧
①学科名の一覧は埼玉県・東京都の手引きに載っています
ポイント:福岡県の手引きには学科名の一覧がないため、他県の一覧が参考になります
福岡県の手引きに載っているのは、先ほどの施行規則第1条の表(第4表の1)までです。
手引きの全分冊を確認しましたが、具体的な学科名を並べた一覧は掲載されていません。
一方で、埼玉県と東京都の手引きには、具体的な学科名の一覧が載っています。
具体的な学科名の一覧が載っている手引き
2つの手引きを突き合わせたところ、並んでいる学科名は同じでした。
福岡県が同じ一覧を使って判断するとは限りませんが、一覧にある学科であれば、少なくとも他県では指定学科として扱われているということです。
福岡県知事許可で申請する場合も、当事務所ではまずこの一覧で見当をつけ、判断に迷う学科は申請前に県の窓口へ確認するようにしています。
なお、一般財団法人 建設業技術者センターも同じ学科名の指定学科一覧を公開しています。
ただし、こちらは実務経験で監理技術者資格者証を取るときの一覧で、建設業許可の一覧ではありません。
監理技術者資格者証では「いわゆる専門学校は該当しません」「一覧の学科名と完全に一致する必要があります」とされているなど、許可よりも厳しい扱いになっています。
ネットで一覧を探すと最初に出てくることが多い資料ですので、取り違えにご注意ください。
②学問分野ごとに学科名と取れる業種を確認します
ポイント:自分の学科名を探し、同じ枠にある「取れる業種」を見ます
一覧は、施行規則第1条の学問分野ごとに学科名を並べた形になっています。
ご自身の学科名を下の一覧で探し、その学問分野の枠に書いた「取れる業種」を確認してください。
取れる業種は、施行規則第1条の表を学問分野の側から並べ直したものです。
土木工学に関する学科
開発科/海洋科/海洋開発科/海洋土木科/環境造園科/環境科/環境開発科/環境建設科/環境整備科/環境設計科/環境土木科/環境緑化科/環境緑地科/建設科/建設環境科/建設技術科/建設基礎科/建設工業科/建設システム科/建築土木科/鉱山土木科/構造科/砂防科/資源開発科/社会開発科/社会建設科/森林工学科*/森林土木科/水工土木科/生活環境科学科/生産環境科/造園科/造園デザイン科/造園土木科/造園緑地科/造園林科/地域開発科学科/治山学科/地質科/土木科/土木海洋科/土木環境科/土木建設科/土木建築科/土木地質科/農業開発科/農業技術科/農業土木科/農業工学科*(東京農工大学・島根大学・岡山大学・宮崎大学以外は、農業機械学の専攻・専修・コースを除く)/農林工学科*/農林土木科/緑地園芸科/緑地科/緑地土木科/林業工学科*/林業土木科/林業緑地科
このほか、学科名に関係なく、生産環境工学・農業土木学・農業工学のコース・講座・専修・専攻も該当します。
▶ 取れる業種:土木・舗装・左官・とび・土工・石・屋根・タイル・れんが・ブロック・塗装・解体・管・水道施設・清掃施設・鋼構造物・鉄筋・しゅんせつ・防水・熱絶縁・造園・さく井
建築学に関する学科
環境計画科/建築科/建築システム科/建築設備科/建築第二科/住居科/住居デザイン科/造形科
▶ 取れる業種:建築・大工・ガラス・内装仕上・左官・とび・土工・石・屋根・タイル・れんが・ブロック・塗装・解体・管・水道施設・清掃施設・鋼構造物・鉄筋・板金・防水・機械器具設置・消防施設・熱絶縁・造園・建具
都市工学に関する学科
環境都市科/都市科/都市システム科
▶ 取れる業種:土木・舗装・建築・大工・ガラス・内装仕上・管・水道施設・清掃施設・造園
衛生工学に関する学科
衛生科/環境科/空調設備科/設備科/設備工業科/設備システム科
▶ 取れる業種:土木・舗装・管・水道施設・清掃施設・さく井
電気工学に関する学科
応用電子科/システム科/情報科/情報電子科/制御科/通信科/電気科/電気技術科/電気工学第二科/電気情報科/電気設備科/電気通信科/電気電子科/電気・電子科/電気電子システム科/電気電子情報科/電子応用科/電子科/電子技術科/電子工業科/電子システム科/電子情報科/電子情報システム科/電子通信科/電子電気科/電波通信科/電力科
▶ 取れる業種:電気・電気通信・機械器具設置・消防施設
電気通信工学に関する学科
電気通信科
▶ 取れる業種:電気・電気通信
機械工学に関する学科
エネルギー機械科/応用機械科/機械科/機械技術科/機械工学第二科/機械航空科/機械工作科/機械システム科/機械情報科/機械情報システム科/機械精密システム科/機械設計科/機械電気科/建設機械科/航空宇宙科/航空宇宙システム科/航空科/交通機械科/産業機械科/自動車科/自動車工業科/生産機械科/精密科/精密機械科/船舶科/船舶海洋科/船舶海洋システム科/造船科/電子機械科/電子制御機械科/動力機械科/農業機械科
このほか、学科名に関係なく、機械(工学)コースも該当します。
▶ 取れる業種:管・水道施設・清掃施設・鋼構造物・鉄筋・しゅんせつ・板金・機械器具設置・消防施設・熱絶縁・さく井・建具
鉱山学に関する学科
鉱山科
▶ 取れる業種:さく井
出典:埼玉県「建設業許可申請・届出の手引き」(令和8年4月)表3-2 指定学科の具体的な学科一覧 23頁、東京都「建設業許可申請変更の手引」(令和8年度)77頁。取れる業種は建設業法施行規則第1条による。*印は、下の③の読み替えができない学科として当事務所が付したものです。
冒頭の「電子情報科」は電気工学に関する学科に入っているため、電気工事業の指定学科に当たります。
電気通信工事業・機械器具設置工事業・消防施設工事業の指定学科にもなります。
ただし、電気工事業と消防施設工事業は実務経験の数え方に注意が必要です。
電気工事士法や消防法により、電気工事士や消防設備士の免状がないと直接従事できない工事があります。
そうした工事に従事した経験は、免状を受けた後の期間しか実務経験に数えられません。
指定学科で年数が短縮されても、その年数を免状のある期間で満たせるかを確認してください。
※出典:国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」【第7条関係】

なお、交通工学と林学に関する学科は、施行規則には出てきますが、一覧に具体的な学科名が載っていません。
該当しそうな学科を卒業している場合は、次の3章でご説明する事前相談の対象になります。
また、「環境科」は土木工学と衛生工学の両方に、「電気通信科」は電気工学と電気通信工学の両方に載っています。
③「科」「学科」「工学科」は読み替えができます
ポイント:「電子情報工学科」は「電子情報科」と同じ扱いです
一覧の学科名は「〇〇科」の形で書かれていますが、大学では「〇〇学科」「〇〇工学科」という名前が一般的です。
この点について、埼玉県と東京都の手引きには次の注意書きがあります。
学科名の読み替えのルール
- 学科名の末尾にある「科」「学科」「工学科」は、他のいずれにも置き換えることができる
- ただし、「森林工学科」「農林工学科」「農業工学科」「林業工学科」は置き換えることができない
- 表に記載がない学科については、個別に相談する(埼玉県)
出典:埼玉県「建設業許可申請・届出の手引き」(令和8年4月)23頁、東京都「建設業許可申請変更の手引」(令和8年度)77頁
つまり、「電子情報学科」も「電子情報科」として一覧に当たります。
「建築学科」「建築工学科」も「建築科」として扱われます。
ただし、読み替えられない4つの学科は名前どおりでなければならず、たとえば「林業科」を「林業工学科」として扱うことはできません。
また、読み替えが認められているのは末尾だけです。
たとえば「電子情報システム科」は一覧にありますが、「情報システム科」は一覧にありません。
似た名前であっても、末尾以外が違う学科は一覧に当たるとは言えず、次の3章でご説明する個別の相談になります。
3.一覧にない学科と、証明するときの注意点
①一覧にない学科は、履修内容を示して事前に相談します
ポイント:一覧にないからといって、すぐに諦める必要はありません
大学や高校の学科名はさまざまで、一覧にない名前の学科を卒業している方も少なくありません。
一覧にない学科について、埼玉県の手引きは「個別に御相談をお願いします」としています。
東京都の手引きには、相談するときに持参する書類と、判定にかかる期間まで書かれています。
一覧にない名称の学科で相談する場合(東京都)
- 持参するもの:卒業証明書及び履修証明書(成績証明書)等
- 判定期間:2週間から1カ月ほど。申請まで余裕をもって相談する
出典:東京都「建設業許可申請変更の手引」(令和8年度)9 技術者の資格(指定学科)表 77頁
大切なのは、学科名ではなく、実際に何を学んだかで判断してもらうという点です。
履修証明書(成績証明書)で、電気工学・建築学などの専門科目をどれだけ修めたかを示すことになります。
福岡県の手引きにも、変更届の添付書類として「卒業証明書(必要に応じて履修科目証明書等を添付)」という記載があります。
福岡県知事許可の場合も、一覧にない学科であれば、申請の前にこれらの書類を持って県の窓口に相談しておくのが確実です。
申請してから該当しないと判断されると、実務経験の年数が足りなくなり、申請そのものを見直すことになりかねません。
※出典:福岡県「建設業許可申請等の手引き」参考資料(PDF)193頁
②大学院・職業訓練校・各種学校は対象外です
ポイント:学科名が合っていても、学校の種類で外れることがあります
学科名と同じくらい大切なのが、どの学校を卒業したかです。
東京都の手引きには、次の注意書きがあります。
指定学科の対象になる学校
- 指定学科は、学校教育法に基づく学校でなければならない
- 大学院や職業訓練校、他の法律に基づく各種学校等は対象外
出典:東京都「建設業許可申請変更の手引」(令和8年度)77頁
大学院で建築を学んでいても、学部が別の分野であれば、大学院の課程は指定学科として扱われません。
職業能力開発校(職業訓練校)で電気を学んだ場合も同じです。
職業訓練校で学んだ方は、技能検定の資格で要件を満たせる場合がありますので、下の③でご紹介する資格の記事もあわせてご確認ください。
いわゆる専門学校は、学校教育法上の専修学校の専門課程であれば、1.の②でご紹介したとおり対象になります。
③施工管理技士の受検資格の指定学科とは別物です
ポイント:技術検定の一覧に載っていても、建設業許可で通るとは限りません
「指定学科」という言葉は、施工管理技士の技術検定の受検資格でも使われています。
しかし、技術検定の指定学科と建設業許可の指定学科は、同じものではありません。
建設業技術者センターの一覧にも「技術検定試験の受験資格における指定学科とは異なる場合があります」と注意書きがあります。
技術検定で指定学科とされていたことは、一覧にない学科を相談するときの材料にはなっても、それだけで認められるわけではありません。
一方で、技術検定を使って年数を短縮する別のルートもあります。
令和5年7月からは、技術検定の第一次検定の合格者が、指定学科の卒業者と同じような扱いで営業所技術者になれるようになりました。
福岡県の手引きでは、次のように説明されています。
第一次検定の合格者は指定学科の卒業者と同等
- 必要な実務経験:1級の第一次検定の合格者は合格後3年間、2級の第一次検定の合格者は合格後5年間
- 対象外の業種:指定建設業(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種)と電気通信工事業
出典:福岡県「建設業許可申請等の手引き」参考資料 180頁。根拠は建設業法施行規則 第7条の3第2号
ただし、どの検定の合格でもよいわけではありません。
取りたい業種に対応する種目の検定に限られます。
たとえば内装仕上工事業で使えるのは建築施工管理の検定です。
卒業した学科が一覧になく判断が難しい場合は、対応する種目の第一次検定に合格して年数を短縮するという道もあります。
資格や検定を使って営業所技術者になる方法は、下記の記事で解説しています。

④証明には学科名が載った卒業証明書を使います
ポイント:卒業証明書に学科名が書かれているかを必ず確認します
指定学科の卒業は、学校が発行する卒業証明書で証明します。
学科名が記載されていないと指定学科かどうかを確認できませんので、学校に請求するときは学科名を入れてもらうようにしてください。
福岡県の手引きの確認資料一覧では、「卒業証明書(卒業証書の場合は、写しを提出、原本持参)」とされています。
卒業証書で証明する場合は、窓口に原本を持参する必要がある点にもご注意ください。
卒業証明書の請求方法は学校によって異なりますので、早めに卒業した学校へ問い合わせておくと安心です。
※出典:福岡県「建設業許可申請等の手引き」参考資料(PDF)185頁
4.まとめ
以上、【建設業許可】指定学科の学科名一覧|自分の学科が該当するかの確認方法について解説いたしました。
この記事のまとめ
- 法令は学問分野まで:施行規則第1条は「〇〇に関する学科」までしか定めていません
- 学科名は手引きの一覧で確認:埼玉県・東京都の手引きに同じ一覧があります。福岡県の手引きにはありません
- 電子情報科は電気工学:電気工事業などの指定学科に当たります。免状が必要な工事の経験は免状取得後の分だけ数えます
- 末尾は読み替えができる:「科」「学科」「工学科」は置き換えられます。ただし森林工学科など4学科は除きます
- 一覧にない学科は事前相談:卒業証明書と履修証明書(成績証明書)などで学んだ内容を示します
- 学校の種類にも注意:大学院・職業訓練校・各種学校は対象外です
- 技術検定の指定学科とは別物:ただし対応する種目の第一次検定に合格すれば、指定学科の卒業者と同じように年数が短縮されます
指定学科に当たるかどうかで、証明しなければならない実務経験は10年から3年まで大きく変わります。
卒業した学科が一覧にない場合や、判断に迷われる場合は、申請の前に一度当事務所へご相談ください。
建設業許可を新規で取得しようと考えている方
建設業許可は取得した後の
フォローが重要です

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